
寮でインターネットと思って購入したAirH”ですが、ノートパソコンではカードスロットに入れて楽々接続できるのですが、デスクトップとなるとそうはいきません。メーカー製のパソコンであればPCMCIAードスロット付きが付いていますが、自作機ではほとんどついていません。
ところが、サン電子から”Slipperシリーズ”というのが発売されていて、これを用いればPCMCIAカードタイプのPHSも使用できる優れ物を発見しました。タイプはRS-232CとUSBタイプ。思い切ってUSBタイプの”Slipper X”をYahoo!Auctionsで競り落としました。
USBタイプはSlipper Xとmini Xタイプとがあるようですが、Linuxで使用するにはSlipper Xでなければならないとのこと。Xの方はCDC(Communication Sevice Class)に準拠しており、Linuxでも使える。
せっかくUSBを使うので、USB機器のチェックをしながら設定をすすめていく。まずは、Linux上でちゃんとUSBコントローラーが動いているかをチェック。コントローラは大きくわけて2種類あり、一つははUHCI(Universal Host Controller Interface)、もう一つはOHCI(Open Host Controller Interface))。IntelおよびVIAチップはUHCI、他社製品はOHCIらしい。
確認するにはスーパーユーザーになり
/sbin/lspci -v
とコマンドをたたけばOK。私のマザーボードだと、VIAチップなので、

と、予想通りUHCIである。この表記があれば、LinuxでもUSBが使えるわけ。
つぎにusbprobeとコマンドをたたくと、接続されているUSB機器の情報をみることができる。

0番はUSBコントローラ、1番はUSBハブ、2番にSlipper Xときちんと認識されていることが分かる。で、Driver=”acm” Class=MODEMとなっている。acm(Abstract Control Modem)というのは一つの規格みたいなものらしく、これに準拠しているモデムは使えるとのこと。カーネルの環境設定(make xconfig など)のUSB supportにUSB Modem(CDC ACM)supportの項目があり、有効またはモジュールとして組み込む必要がある。ACMモデムのデバイスドライバはacm.oであるが、TurboLinuxでは最初から読み込んでいるようである。
ここまでで、Slipperを使う環境が整った。あとは以下のコマンドを実行する。
mknod /dev/usb/ttyACM0 c 166 0
mknod /dev/usb/ttyACM1 c 166 1
mknod /dev/usb/ttyACM2 c 166 2
mknod /dev/usb/ttyACM3 c 166 3
これによりデバイスファイルを作成し、Slipperは/dev/usb/ttyACM*に見えるようになる。私の環境ではdmesgコマンドでブート時のシステムメッセージ見ると以下のようになっておりttyACM0となっている。

あとは通常のモデムと同じようにセットアップしていけばいい。私はtkPPxPを使った。ttxpではDevice Nameに/dev/usb/ttyACM0と設定できないため、リンクを/dev/ttyS999にはることで解決。以下のように動く。
